قصة الكتاب :
草思社/2001年/184ページ/本体1400円/ISBN 978-4-7942-1115-6 谷川 俊太郎 1931年東京都生まれ。1952年「文學界」に詩を発表して注目を集め、処 女詩集『二十億光年の孤独』を刊行、みずみずしい感性が高い評価を得 る。『62のソネット+36』『定義』『世間知ラズ』『ことばあそびうた』『ト ロムソコラージュ』など、著書多数。
谷川俊太郎は半世紀にわたって、もっとも柔軟に日本語を活用し続けてきた現代詩 人である。身近なものを見つめて書く短い文章の正確さ、洗練の度合いも、さすがと いうほかない。 『ひとり暮らし』は、若い頃は男女の一対が人間社会の基本単位と考えていたこの 詩人が、三度の結婚と離婚を経て単身生活を営み始めた、60代後半の日々の雑感を伝 えるエッセー集だ。後半は1999年から2001年にかけての日記形式をとる。 東京都心から少しだけ離れた杉並区内の家を拠点に、若い詩人との懇談や展覧会、 映画館へと気軽に出かけ、欧州の友人宅へも足を延ばして食卓を囲む。これほど軽快 に暮らしを楽しむ、健康な独居老人もめずらしい。たまにはラジオに耳を傾け、「寂 しさ」を想う夜もあるけれど。 <私たちは帰属出来る幻の共同体を求めて携帯電話をかけまくり、電子メールで埒 もないお喋りに精を出し、ロックコンサートに群がり、居酒屋にたむろし、怪しげな 宗教に身を投じる。> <「和」で生きてきた私たちは、「個」の孤独に耐えられな いのだ。> 同時代の社会と世界に思いをめぐらせるこの詩人の考察は、なんと的確 であることか。(OM)
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