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قصة الكتاب :
新潮社(新潮文庫)/2014年/615ページ/本体790円/ISBN 978-4-10- 131332-0 金原 ひとみ 1983年東京都生まれ。2003年「蛇にピアス」ですばる文学賞。翌年、同 作で芥川賞を受賞。2010年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、2012年『マ ザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。著書に『アッシュベイ ビー』『AMEBIC』『オートフィクション』『ハイドラ』『星へ落ちる』『憂 鬱たち』『マリアージュ・マリアージュ』がある。
金原ひとみは、若くして衝撃的なデビューをして以来、激しいセックスや変態的で 先端的な風俗を描くことで多くの読者に刺激を与えてきたが、今回の長編小説『マザー ズ』では、そのタイトルが示す通り、子育てをしながら悩み、苦しむ若い母親たちと いう、ある意味では古典的なテーマに正面から取り組むことになった。おそらく作家 自身の結婚、出産、育児という経験の裏付けがあって初めて可能になった作品であろ う。 物語は3人の若い母親たちの視点が交替しながら、進んでいく。五さ つき月はモデルで、 夫との間に娘がいるが、不倫相手の子を妊娠してしまう。ユカは原稿執筆の締め切り に追われる作家だが、夫は週末しか家に戻らず、孤独な子育てと原稿執筆のストレス からドラッグに手を出す。涼りょうこ子は専業主婦だが、子育てに疲れて息子を虐待してしま う。3人は、みな同じ保育園に子供を預けており、子育てに夫の理解や協力が得られず、 すさまじい孤独にさいなまれているという共通点を持っている。 もっとも金原ひとみは、フェミニズム的な立場から社会的問題として子育てを取り 上げているわけではない。彼女の功績は、愛と憎しみ、孤独と連帯をめぐる現代小説 の一つの豊かな可能性を切り拓いたということだろう。(NM)
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